Juttoku.について


立ちのぼる香りは、天に祈りを届け、神と人をつなぐ。

日本では香(こう)の伝来以来、宗教儀礼だけではなく、日常生活の様々な場面で香りを活かし、暮らしに彩りをそえてきました。

それは、香そのものには臭覚的なものだけではなく、精神性や神秘性があると気づいていたと考えます。

霊妙な香りの中に身をおき、香を聞きながら静寂な心を養う。

古の人たちは心豊かな暮らしを送りたいというひそかに秘めている願いを香にたくしました。

いわば、香は願いごとを「祈り」として神に届ける、神と人との「なかとりもち」。

平らかなる、安らかなる、安心立命の日々を。

これがJuttoku. の志であり、祈りです。





清らかな風土に、神々の声を聞く。

 

日本の香文化は、仏教伝来と共にもたらされたと言われます。

しかし、その香りを深く受け入れ、独自の文化へと昇華させた背景には、私たちの祖先が遥か古来より育んできた尊い日本の精神性がありました。

八百万の神々が宿る、豊かな自然。

人間は自然のごく一部であり、自然に生かされている。

古の日本人はそれを肌で感じていたからこそ、自然を敬い、 畏敬の念をもって共生してきました。

この精神の礎は、 国土の七割を山林が覆い、清らかな水に恵まれたこの国の風土そのものです。

尽きることのない豊かな水は暮らしを潤すだけでなく、 「清らかさ」という私たちの精神的な礎をも育み、 人の五感を研ぎ澄ませてきました。



そして、森羅万象のみならず、ほのかに漂う花の香り、雨上がりの土の匂い、木々の放つ生命の息吹等、その繊細な香りの内に古の人々は神々の気配を感じ、霊妙な世界と通じ合ってきたのです。



その霊妙な交感の中で見えない香りの世界に、森羅万象に宿る自然の美しさを見出し、 歌を詠み、心を遊ばせる。 その類まれなる「感性」こそ、日本の香文化の本質であり、 日本人の精神性の根幹です。

香文化を守り、継承すること。

それは、この「感性」を未来へ紡いでいくことに他なりません。

しかし、現代を生きる私たちはいつしかこの豊かな自然から少し離れてしまいました。

だからこそ、Juttoku.はもう一度、 人と自然(神々)をつなぐ存在でありたい。それこそが、私たちの志に宿る香りが古来から担ってきた「神と人との“なかとりもち”」としての役割です。

Juttoku.がお届けしたいのは、 暮らしの中に神々の清らかな息吹が満ち、 日本の美しい自然と響きあい、神々の気配に触れる、 その尊い「ひととき」そのものです。

慌ただしい日常から離れ、香りが生み出す「静謐な時」。 それは、心・体・空間が清められ、まるで神聖な時空に佇むかのよう。内に静けさが満ち、穏やかな心で神々の声を感じ、 気枯れることなく、気力に満ちた本来の自分自身へと立ち還る。

それこそが、揺るがない本来の自分自身に触れ、日々を豊かに生きる糧となるのです。

真の心の平穏とは、まさにそうした静寂から生まれるのです。 その清らかな響きあいの先にこそ、私たちの志であり、祈りである、

「たいらけく、やすらけく」
(平らかなる、安らかなる、安心立命の日々)

があると、信じています。